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February 06, 2006

◆靴に恋して (ラモン・サラサール)

くるっぱー的採点板:[★★★★☆]

靴に恋してDVD:靴に恋して
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2002年/スペイン
監督:ラモン・サラサール
出演:アントニア・サン・フアン、ナイワ・ニムリ
アンヘラ・モリーナ、ビッキー・ペニャ、モニカ・セルベラ
エンリケ・アルキデス、ダニエレ・リオッティ

official site

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<注!!ネタばれあり!!>

顔に刻み込まれた皺、万歳!

出てくる女性の多くが、ハリウッド映画では考えられないくらい
皺、皺、皺
なのだが、美しい。

皺どころか、男と見間違えるほどのいかつい顔だったり、
すっぴんで髪もぼさぼさだったり、
でも、でも、美しい。力強い。
よくまあ、あんないい顔の女優達ばかり集めてきたもんだ。
人生いろいろ、女もいろいろ。

盗んだ靴を履く女 レイレ
スニーカーを履く女 アニータ
スリッパを履く女 マリカルメン
小さな靴を履く女 イザベル
偏平足の女 アデラ

これら、いろいろな世代、いろいろな職業、いろいろな階層の
五人の女たちの暮らし、愛、人生を描く群像劇。
かなり見応えあり。

オフィシャルサイトや、DVDジャケットの「おされ」感に
だまされてはいけません、(ちなみに私が騙されました。)
靴をモチーフにした、洒落た恋愛群像劇ではなく
酸いも甘いも、かみわけてそうで、ちっともかみわけてなかった
不器用な女たちの人生のドラマであります。

原題は「Piedras」(日本語で石)。

監督の意図は

「人生とはまず基礎となる大きな石
(仕事とか家族とか愛とか友情)」
を積み重ねてから隙間に小さな石を
埋めていくものだが、それを逆にしてしまうと
大きな石を置くスペースはなくなってしまう」

というようなところだったそうで。
なるほど。

出てくる人みんな、石を置く順番を間違えた人たち
ばかりというわけですね、トホホ・・・・。
でも、誰でもそんなもんじゃないですかねー
上手に石を置けていたら、あなた輪廻の道からいえば
人としてあがり、ゴールですよ、次はもう生まれ変わらず
悟っちゃってますよ、悟れないから人生なわけで
見ているうちに、のめりこんじゃっておりましたよ
えーもー ひとごとじゃないっていうんですか。

けっこう登場人物が多くて、かつ、いろいろなところで
それぞれがニアミスしたり、なんだりで複雑に絡み合っていくのですが
そのあたり上手に整理されていて、鳥頭でも
一度目で、ほぼついていけました。

そしてどの登場人物も(女性に限るが)丁寧に描かれていて
単純な馬鹿でも単純に素晴らしい人でもない。
それぞれがそれぞれの人生につまづき、もがきながら
なにかをつかんだりつかめなかったり・・・・・。

この中で一番の美人さん、レイレの恋の顛末は見ていて泣ける。
身に覚えがありすぎる。
やたらハンサムなジャンキーの画家との別れが
そんな丁寧に描かんでもええっちゅうねん!と怒りたくなるくらい
丁寧に描かれていて彼女のやることなすことほんとにもうねえ。
じょぼー(涙で濡れたハンカチをしぼる音)。

別れの気配におびえても気づかぬふりをしてみたり
自分を捨てた男のコロンをかいでみたりのベタなことしてみたり
私生活ぼろぼろになってみたり 以下略。
とにかく別れ話のあたりが異常にリアル、あーいうのって
万国共通ですか?

それから金持ちマダムのイザベル。

「金だけはある」ってわけで、夫には全然かまってもらえず
愛情欲しいとあれこれ病的に買い物したり万引きしたりするマダムです。
多分この人の靴のコレクションのシーンなどを
宣伝ではピックアップしたのだと思われます。
はじめこの人が出てきたときにゃ
「馬鹿」かと思ってましたが、違う違う、伊達に皺だらけじゃなかったぜ。
単純に描かれがちな有閑マダムの、人生のためいきが
映画の最期のほうではしみじみと感じられます。 これも人生。

一人一人書いていたら長くなるなあ
夫を亡くして義理の息子と娘を育てるタクシー運転手のマリカルメンも、
20代後半だけど7歳程度の知能の、お絵かきと飛行機が好きな
アニータも、アニータの母で、高級娼婦の元締めマダム、アデラも

もうどのエピソードも

ずしり ずしり。

特に中年のマリカルメンとアデラは存在感があるですよー
いい皺してます。
アデラ役のアントニア・サン・ファンは、男か女かわからない
いかつい顔ですが、セクシー。なんか
ヨーロッパの魔術にひっかかってんじゃないかと自分を
うたがってしまうほどです。まだどこかで彼女は本当は
男じゃないのかと疑っているほど顔面が男らしく
がたいがいいんですけどね、なのにたおやかで女らしい。
(オールアバウトマイマザーではまさに
女になりたかった男の役をやっていたような気がする。)


ラテンの国の女優って、ほんと一風変わった顔の人多いですな!
それがまたいいんですが。

とにかく、見応えありました。
これを見た前日に見たのが「ザ・リング2」だったので
余計、映画らしい映画を見たな~と思ったのでありました。

ラストがちょっとどたばたしてしまったのと
妙につじつまがあわないところがあったのが気になったのと
男性陣の描きかたが物足りなかったので星4つですが
見た瞬間は 星いつつ~~~~っ って感じでした、
じっくり見るのにオススメいたします。

是非女の皺、堪能してください。
あと、女性陣に較べるとかなり雑に描かれている男性陣ですが
そのかわり、みんなどえらくハンサムです。目の保養になります。
ホアキンという役の子は車にはねられても元気でした。すごいな。

ちなみにおしゃれ映画ではないと書きましたが
この映画唯一の美人ちゃんレイレのファッションは
かなり格好いいです。
ま、スタイルいいせいもあるんだけど、おしゃれ好きな女子は
レイレをチェック。ということで。

【くるっぱー】


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Comments

いいよね、いいよね。
ほんと、女の皺って、こんなに美しかった?とドキっとした映画です。
お婆ちゃんの可愛いシワシワとはまた違う、まだ生理があがっていないオンナの皺。なんて色っぽくて哀しくて優しいんだろう、と惚れ惚れ。
私も、パッケージとか日本での宣伝とか、安っぽいかたソンしてるんじゃないかと心配ですが、気楽に見始めて、
濃さに感動する若い女性が増えたかもしれないですね。
夫も、映画見て「太ってようが皺シミだらけだろうが、オンナであろうとしているきかぎりオバサンではなくレディだ」といってました。

Posted by: ルー | February 07, 2006 at 08:00 PM

年末に近くのビデオ屋が潰れてしまって、すっかりご無沙汰していました。
 そう!スペインの映画っておばちゃんが濃いい~ですよね。
年取ってもまだまだ女の人を頑張ってる。
 以前見た「オール・アバウト・マイ・マザー」という映画も濃くて圧倒されました。
 (これと同じ監督の「トーク・トゥー・ハー」も濃かったですが、これは私はちょっと困った?映画で、凄~く嫌な人も多いと思います)

 ハリウッドと美意識が違うんでしょうねー
 先週グローブ賞のパーティをTVで見てたんで、ハリウッドスターのしわ取りについて考えてしまった私です。
 

Posted by: うおりょう | February 09, 2006 at 12:17 PM

>うおりょうさん

コメントいつもありがとうございます。
いつまでも若く美しくとは万人共通の女の願いなの
かもしれないけど
そうではない美しさもあるってのを
教えてくれる映画でもありましたねー。

もうすぐアカデミー賞発表ですな。

Posted by: くるっぱー | February 14, 2006 at 12:45 PM

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