« ◆ドッジボール (ローソン・マーシャル・サーバー) | Main | ◆靴に恋して (ラモン・サラサール) »

January 28, 2006

◆エレファント (ガス・ヴァン・サント)

くるっぱー的採点板:[★★★☆☆]

エレファント デラックス版DVD:エレファント デラックス版
→ Amazonで詳しく見る

2003年/アメリカ
監督:ガス・ヴァン・サント
出演:ジョン・ロビンソン 、アレックス・フロスト
エリック・デューレン 、イライアス・マッコネル
ジョーダン・テイラー 他

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
<注!!ネタばれあり!!>

1994年にアメリカ、コロンバイン高校で起きた
高校生による銃乱射事件をモチーフに描かれた
ドキュメンタリー風の映画。

けっこう前に見たのだけど
なんとなく感想を書きそこねていた。
美しい映像、映画のどこをとっても、それこそ
絵になるような。
でもそれは安心して見ていられるような美しい絵ではなくて
たよりなさでいっぱいで、なんでかなー、と思うに画面を
止めて一枚の絵としてみたときに、
構図がなんとなくバランスが悪くて不安定な感じがするのだ。

画面から受ける印象がそのまま映画への感想に
なってしまって、それ以上なにも
書く事ができない気がして、ずいぶんほおっておいた。
このままほおっておいてもよかったけれど
自分の覚書のつもりで少しだけ感想を書いておこうと
思った。

そんなことを思わせる映画なわけです。

同じ事件をモチーフにしたもので、有名なのがありますね
マイケル・ムーアの「ボウリング・フォー・コロンバイン」。
あれはマイケル・ムーアが自分の意見を主張するための
フィルムでしたが、この映画は
「印象」を残す映画で、何かを導く映画ではありませんでした。

映画の結末はわかっています。
高校生による乱射事件が起こるのです。
そこに至るまでの時間を、いろいろな高校生の視点で
何度も何度も繰り返し再現します。

生き残るものもいれば死ぬものもいる。
犯人の高校生達の動機も描かれているようで
嘘のようでもある。

安易に「不安」という言葉を使って
「今」を語るのは、それこそ何もものを考えていないような
気がしますが、他に今は言葉が思いつかないです。

この不安がいろんなことを突き動かしているんだろうな
世の中の小さな事から大きな事まで。

この映画の持つ脆さ、不安定さ、美しさが、
中途半端に腑に落ちるために
なんだかやっぱり空恐ろしいのです。
なにが怖いのか、本当はよく考えないといけないのかもしれない
けれど、こうやって生きている私は
それを案の定、見てみぬふりをしているわけです。

【くるっぱー】

|

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/27057/8372679

Listed below are links to weblogs that reference ◆エレファント (ガス・ヴァン・サント):

» すべての言葉はさよなら [ぼくのWeblog ]
「生きる」とか、希望とか夢とか。愛だとか。何とか。生きるための、つまりポジティブ [Read More]

Tracked on January 31, 2006 at 12:04 AM

Comments

本当、この映画は奇妙なまでに美しい。
黄色と青空の印象が残っています。
もう遠くなってしまったけど、思春期のころの、長い長い細い廊下のような不安、脆さを思い出すんです。
そして皆、見て見ぬふりをして必死に自分を保ってる。でも、見えていないのと、見ぬふりをするのはきっと違うんだと、そう言い聞かせて自分を守るしかない、世界はそうして今日もまわっているんだよな・・・。

Posted by: ルー | January 30, 2006 at 09:09 PM

答えの出せない映画。
世界は日々変わっていくのに
地球はそれでもまわっているのに
足元がおぼつかない。
しっかりと立ってみたいのにそれもまた夢のような。

なにが正しいのかもわからなくなる御時世です。

Posted by: くるっぱー | February 07, 2006 at 01:42 AM

Post a comment