◆CODE46 (マイケル・ウィンターボトム)
くるっぱー的採点板:[★★★★☆]
| DVD:CODE46 スペシャル・エディション → Amazonで詳しく見る |
2003年/イギリス
監督:マイケル・ウィンターボトム
出演:サマンサ・モートン 、ティム・ロビンス
ジャンヌ・バリバール 、オム・プリ
エシー・デイヴィス 他
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
<注!!ネタばれあり!!>
近未来のお話。世界は環境破壊が進み、また、徹底した
管理社会である。進んだ科学技術によって安全に人々が暮らせる
都市と、砂漠だらけの無法地帯で、管理できないものが排除されて
寄せ集められた街の二つにわかれている。
外界と行き来するにもパスポート、ビザの役割をする
「パペル」が必要だが、
パペルの発行会社であるスフィンクス社で違法パペルが発行される
事件が起きたので、調査員のウィリアムは上海のスフィンクス社に
派遣される。彼は「共感ウィルス」を使っていて、簡単な会話だけで
人のいうことの真偽がわかる、という能力を有していたのだ。
彼は犯人がマリアという女だと知ってしまうが、
それを隠蔽してしまう。
二人は恋に落ちたのだ。運命の恋だ。
しかしこの恋は成就してはならない恋。
CODE46に違反していたからだ。
CODE46
(1)子作りの前に遺伝子検査を義務づける。
遺伝子が100%、50%、25%同一の場合の受胎は許されない。
(2)計画外の妊娠は胎児を検査すること。
100%、50%、25%同一の場合は即中絶すること。
(3)両親が遺伝子の同一性を知らない場合、
CODE46違反を避けるべく医療介入する。
(4)同一性を知りながらの妊娠は、CODE46に
違反する重大な犯罪行為である。
・・・・・・・・・・・・こんなお話なわけです。
運命の恋というものがあるとするならば
それは多分必ず実らないものだと思うのです。
恋は刹那でしょう。
なにかを育んでいく愛とは別のもの。
誕生日ごとにマリアはいつも同じ夢を見ていた。
誰かに会うはずだ、という思いだけに駆られて
電車に乗り、電車のはじからはじまで歩くけど毎年誰にも
会えない。
26歳の誕生日、今日は眠らない。夢を見てしまうから・・・。
そんな、暗示的な夢を見つづけていたマリアが
誕生日に出会った男がウィリアム(既婚・1児の父)。
人生において接点がまるでなさそうな二人。
持てるもの(ウィリアム)と持たざるもの(マリア)。
追うもの(ウィリアム)と追われるもの(マリア)。
しかし二人はさっくり恋におちていきます。
もう、問答無用です。
あんたたちお互いのどこに魅かれているんですか?と
聞きたい位、なんだか不似合いな二人ですが
果てしなく恋におちます。
マリアはウィリアムのママのクローンだったんですね。
あわわ、禁断の恋により拍車をかけて、
ますます実るはずのない運命の恋だ!
もう、不倫とか犯罪とかを超えてのタブー、近親相姦に
なってますからもーねー
大変なんですけども!!!
この映画をみているうちに
萩尾望都の短編を思い出しました、タイトルもなにも覚えていないけど
それはずっとずっと何度も生まれ変わっては愛し合い、
でも必ず一方が一方を
殺してしまう運命で、ある時、それを避けようとした片割れが
お互いの性を変えるんだけど、そしたら殺すほうと殺されるほうが
逆転して結局、愛し合って、そして片一方が死ぬという
運命は変えられない というお話です。
それは哀しいけど美しいお話。
あるいは同じく萩尾望都の「銀の三角」で
メソポタミア時代の歌姫が未来に転生させられて、
なにも覚えていないけれど魂がずっとチグリスとユーフラテスの川を
恋こがれ、求めつづけていたというエピソードなども思い出しました。
悠久の時間の流れの中で、ただひとつの場所に
思いを馳せて、それを永遠に求めつづけ、待ちつづける。
それは哀しいけれどやはりぞっとするほど魅力的な情景。
マリアとウィリアムの恋も
何度生まれ変わっても同じになる、
決して結ばれない恋なのだと感じさせます。
でもこのふたつの魂はいつもいつもお互いを求め
必ず出会ってしまうのだろう とも思われて、
哀しいけれど美しい。
だから、なんだか単調だったり唐突だったり
文句つけようと思ったらつけられるんだけど
私はこの映画好きです。
映像も、特に砂漠の都市の映像が綺麗で、印象に残ります。
あれは現在の上海なのだと知って、とっても
びっくりしました。
いろいろ悶着あった末に
ウィリアムは記憶を完全に消され
妻と子の待つ都市に戻り、マリアは砂漠に記憶をもったまま
放逐されます。
砂漠の中にいるマリア、
ウィリアムを求めつづけていたマリアの姿が美しい。
二人でいるときよりも何倍も美しい。
いいことかどうかわかりかねますが、
失恋した時に観るといいような気が猛烈にいたします。
自分に浸りきって、おナルに涙したいときなどには
うってつけの、古典的恋愛のSF映画なのです。
いや、ほんと、恋はこんなもんなんですよ、きっと。
【くるっぱー】
TrackBack
TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/27057/7595217
Listed below are links to weblogs that reference ◆CODE46 (マイケル・ウィンターボトム):

Comments
はじめまして。萩尾望都というキーワードにつられて来ました。その作品の題名は「酔夢」です。何度読んでもせつなくなります。ちなみに、最後は女性が、男性(というか両性体)になっていて、男性が事故で死んでしまうんじゃなかったでしょうか。
Posted by: hebiichigo | December 13, 2005 at 05:50 AM
hebiichigoさん コメントと情報ありがとうございます。
漫画は、「酔夢」ですね、今度探してみます。
お話の雰囲気からして、A-A'あたりのコミックスに
収録されてそうな気がしますが、どうでしょうか?
私も記憶がおぼろながら、とても切なかった覚えがあります。
Posted by: くるっぱー | December 15, 2005 at 02:40 AM
これ、ぼくの持っている小学館文庫版の「半神」に収録されてますね。ぼくはこの中の「金曜の夜の集会」、彗星が激突して跡形もなく消えてしまう町で、終わりの一年のループを知らず何度も繰り返す子供たちのお話、が大好きで、買ったのでした。
Posted by: ぼく | December 16, 2005 at 07:35 PM
>ぼくさん
ありがとうございました、そのコミックス持ってました。
本棚ひっくり返して探して
おかげで久しぶりに読むことができました。
金曜の夜の集会も私も好きです。
この「酔夢」のテーマは萩尾望都さんは
繰り返し繰り返し描かれてますね。
Posted by: くるっぱー | December 17, 2005 at 03:48 AM
> hebiichigoさん ぼくさん
「酔夢」でしたかー
ワタシもくるっぱーの評で、タイトルのみ思い出せませんでした。ワタシは、作品集のほうの『半神』を所有してますです。この頃の萩尾作品、大好きです。
どうでもいいのですが
くるっぱーもワタシも24年組が大好き。
「萩尾せんせいは画力衰えないけど、ストーリーは焼き直し気味?」
「山岸せんせいのお話力は相変わらずだが、絵は……
コミックスの表紙は、気合い入れるのね…」
「大島ゆーみんは、、、なんだか、偏屈な猫ばあさんに、、、、涙」
と コミックスが出るたびに
ファンに刺されそうな天つばを飛ばしています
いや、我々もファンなんですけど。
【ヤココ】
Posted by: ヤココ | December 22, 2005 at 05:17 PM