« ◆ゴーストキャッチャー (ヨハネス・ロバーツ) | Main | ◆ラストエンペラー (ベルナルド・ベルトルッチ) »

November 30, 2005

◆リプリー (アンソニー・ミンゲラ)

ヤココ的採点板:[★★★☆☆]

B00005HREHDVD:リプリー
→ Amazonで詳しく見る


サントラCD:リプリー
原作本:リプリー/パトリシア ハイスミス著

1999年/アメリカ
監督:アンソニー・ミンゲラ
原作:パトリシア・ハイスミス「リプリー」
出演:マット・デイモン、ジュード・ロウ、
   グウィネス・パルトロウ、ケイト・ブランシェット

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ぎゃーーーはっはははっはは!!!!!
マット・デイモン、きっもーーーーーー!!!!!

大名作『太陽がいっぱい』のリメイク版、
というか、原作の2度目の映画化 ってことでしょか。
見たかったのですがいざビデオ屋ではどうも食指が動かず
先日、やっと手に取りました。

なんですか。あの名作を前に、
いったいどーなってることかと思ったのですが
なかなかおもしろいじゃないですか!
まったく別の意味で!!!


モノマネやサインの偽造が得意な主人公リプリーが、
何もかも手に入れている放埒な金持ちドラ息子を羨むあまり、
彼を抹殺してなりかわっちゃおう。
という、心理的な切迫感のあるサスペンスドラマです。

『太陽が…』ではリプリーはアラン・ドロンが演じていて
屈折した美しさがナイフのようにものすごかったわけですが。
ドロンですからねえ、なんでおまえが他人を妬むねん!つーか
もう美しい、美しければ全部許す、みたいな。
ぎらぎらした太陽と青い海、イタリア〜ン。
しかし。

マット・デイモン!!!!
マット・デイモン!!!!

なぜマット・デイモンなのかと思っておりました。
ジュード・ロウが主役じゃなくて?逆なの??
と 見るまではハテナ満載で、『太陽が…』のコラムでは
 フツーのオトコのフツーな屈折なんて
 大画面で見てもしょうがないのですよ。

などと言ってたのですが
ぜんっぜんフツーじゃありませんでしたっ!
これはこれで良かったのですね!おえええええええ。

いやあとにかく、彼のきもさに尽きると言いますか。
とっても演技が巧いのかもしれませんが、
うますぎてこんなことになっちまってるんでしょうか。
いやあ マット・デイモン迫真すぎて
ほんとに嫌いになってしまいましたがどうなんでしょう。

ギャグがスルーされる、痛ーーいリプリー。
オレが喋ると場がしーんとしちゃうぜリプリー。
内心おどおどしてるのに世慣れてる振りリプリー。
蛍光イエローのもったり海パンが似合いすぎリプリー。
全てが備わったディッキー(ジュード・ロウ)に憧れるあまり
無理して対等に接してみたのに、ねっとり感が伝わって
あっさり彼に「きもい」と言われちゃう切ないリプリー。
人生のイイとことは縁がない、でもなぜか野心満載リプリー。

ざわああああ(イエロー海パンで鳥肌)
ともかくこのきもさは、見てもらわんとあれなのですが
ほんとにこういうヤツいそう…という生臭さ!
見るとイライラする人を、絶対イライラするとわかってるのに
あえて見てしまうような!!
いやあ、『太陽がいっぱい』に対抗しようなどと思ったら
こうくるしかない、と。正解だったのではないでしょうか。
しつこいよーですがマット・デイモンの痛さに目が離せず
『太陽が…』などちっとも思い出さなかったもの。はふ。

ドロンは、劣等感と隠し持った野心とを
持ち前の美しさで別物に仕立て上げていましたが、
本作は、そのまんま何をやってもかっこわるいリプリーが
生まれながらの太陽、ジュード・ロウを羨み恋をする。
原作読んでないのでどうなのかわかりませんが、
ある意味、本作の方がストレートと言える気もします。
それにしてもドロンほど美しければ野心も許しちゃいますが
デイモン!おまえが一体どこで野心を培ったのだ?妄想??
という点が、恐ろしいというか切ないというか。

デイモンに対するジュード・ロウがまた良かったですね。
んもう真逆というか、何をやっても眩しいばかり。
オーラとしか言いようのない、あの発散するキラキラぐあい。
いくらモノマネしようとも、生まれながらに切ないリプリーが
彼に成り変わろうなどとは図々しい と言うより涙を誘う…
せっかくディッキー(ジュード)のセンスになりきって、
大金はたいて彼の部屋の家具をゴージャスに揃えてみたのに
「なんだこの変な趣味の部屋は。ディッキーはおかしくなったのか?」
とか言われちゃうんだよう。ううう切ねいーー。

豪華キャストな割に、惜しいのは女性陣。まー女子は脇役なので
いいっちゃいいのだが、ジュード・ロウの恋人役、
グウィネスじゃーいくらなんでも華がなさすぎやしないだろうか。
60年代調のビキニが似合わない…華奢なおしゃれが貧相に転んで
イタリアに負けてる といいますか。
ケイト・ブランシェットは生粋のお嬢さま、
生粋すぎて変臭が漂ってしまうという今回も実に良い演技ですが、
いかんせんこちらは役柄自体が不思議すぎ。
神出鬼没すぎるっちゅーーーーねん!!!!!
どこにでも必ずあらわれる、摩訶不思議お嬢さま・・・。

あと後半、リプリーがディッキーを殺害した後が
もったりしちゃってくどかったのが残念。アリバイがどつぼを呼ぶ
ハラハラ感と、リプリーの狂ってく感がいまいち噛み合わず。
もちっと歯切れが良ければ、★4こになったやもしれません。
『太陽が…』の完成感に及ぶ強さはないですが、
これはこれで健闘したかと。マット・デイモンのおかげでしょう。

【ヤココ】

|

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/27057/7379721

Listed below are links to weblogs that reference ◆リプリー (アンソニー・ミンゲラ):

Comments

 ちなみにもとの「太陽がいっぱい」が公開された当時、ドロンを評して「あいつは実際に、カネとオンナのためなら親友を殺しても構わないと考えているヤツなんだよ」、とかなんとか、言われたとか言われなかったとか? 原作も読んで、こちら(マット・デイモン版)のほうが近いとは思うのですが、「リプリー」って、地で演じることを役者に強要するような、そういうキャラクターなのかなと、ちょっとそんな気もするのでした。 


Posted by: ぼく | December 03, 2005 at 08:42 PM

ぼくさん、毎度コンニチハ。
ドロンについてのエピソード、おもしろいですねー!そんなん言われちゃう黒いヤツ。でもドロンならそれもまた良いわぁ・・・(とことん点が甘い)

>「リプリー」って、地で演じることを役者に強要
>するような、そういうキャラクターなのかなと

なるほど、それもまたおもしろいです。そう言われてみれば、別の役者のリプリーも観てみたいような気もしてきました。あまりにドロンのイメージが強かったのですが、本作を見た後だとなんかいけそうな気がしますね。ぼくさんのコメントで、原作も読んでみたくなったです。

【ヤココ】

Posted by: ヤココ | December 04, 2005 at 01:11 AM

Post a comment