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November 20, 2005

◆アリス (ヤン・シュヴァンクマイエル)

ヤココ的採点板:[★★★★★]

B00077DAYEDVD:ヤン・シュヴァンクマイエル アリス
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原作本:不思議の国のアリス/ルイス・キャロル著 高橋康也訳

1988年/チェコスロバキア
監督:ヤン・シュヴァンクマイエル
原作:ルイス・キャロル「不思議の国のアリス」
出演:クリスティーナ・コホトバ

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シュヴァンクマイエルのなにが好きかって
モチーフの持つ質感や触感が、極端に拡げられたようなところ。
モノ自体はとくに目新しいものではなく、日常的に目にするような
食べ物や使い込まれたお道具の数々。しかし大写しになる
それらから漂う匂いは、強烈に魔力的ですらある。
しかも生理的には「いやだなあ」と思う反面、どうも懐かしい。

なんでこんなに感覚に訴えてくるのかなあと
思いを巡らせてみると、カメラの切り取り方が何となく、
小さいコドモだった頃の物の見方や触覚体験に近い…
のかもしれません。美醜や善悪の判断力がまだない、
よってお花だろうがウンコだろうが顔を近づけて、
等しくまじまじと見る目線というのでしょうか。

小箱のすみっこにたまるホコリやら、
どうやっても開かないカンのフタや立てつけの悪い引き出し、
必ず手に付くジャムのびんのベタベタ、
ほつれをハサミで切ろうとして穴をあけた人形のお洋服、
濡れて冷たいのに穿きかえない汚れた靴下、
道に落ちてるお菓子、柱の模様、石ころ、土くれ、ガラス片、

そんなものを至近距離で触ったりじっくりじっくり見つめた遠い記憶。そういや大人になると、くっつくぐらい顔近づけてまじまじ眺める事なんて減るもんね。ワタシが最近じっくり見たのは キラキラ光る石がついた小さい輪っかぐらいですよ、ほほほほ。
でも小さい頃は、切った爪とか、水のりを丸めて作ったネチネチしたものとかも溜めこんでは愛でており、時には舐めちゃったりして。うぅ、忘れよーとしているもっとこわい事もあるに違いない。

で、本作『アリス』です。
「不思議の国のアリス」シュヴァンクマイエル版、
これぞコドモの頃のオブセッションの集大成。


って。ここまででもう言いたいことは言っちゃった気がしますが。

映像は例のごとく、実写とパペットアニメを合体させたもの。
部屋の中で突然動き出した剥製の白ウサギを追いかけて、
アリスは不思議の国へ。標本の骨や靴下の芋虫がうごめく
古びた部屋の中を、アリスは大きくなったり小さくなったり。
アリスは少女の役者が演じてますが、彼女以外はみんなパペット。
そのアリスも、クッキーを食べて小さくなった時はなんと
彼女にそっくりな人形が演じ、うまいことメリハリがつきます。

古びてようがネチネチだろうが、なんでも口に入れてみるアリス。
アリスが開けようとする、机の引き出しという引き出しがすべて、
引っぱると取っ手がポコっととれてしまって開けられなくなり
はさみやナイフを引き出しの隙間にねじ入れてこじあける。
というエピソードが執拗にくり返されるのですが、
この辺も幼少期を強烈に思い出させます。
キチガイお茶会も秀逸!「席はないよ!」と叫んでは
懐中時計にバターを塗り込めて座席移動。これをえんえんくり返す
木製人形の帽子屋と兎、一体いつからそれやってるの?!

デ●ズニーみたいな、キレイきれいのアリスではない。
潜在的な色気の漂う幼年の美少女と、無機物が命をもつ
ミニアチュアの世界は、まさにシュヴァンクマイエルの本領発揮。
アレンジはされてるけど、そーそー!こんなアリスが見たかった!!
と膝を打ちたくなります。

小さい頃、初めて原作の「不思議の国のアリス」を読んだ時、
ワタシは良く意味がわかりませんでした。
楽しくまとめられた絵本などのイメージとあまりに違って
コドモにやさしくないですもんね。でも気がつけばアリスの虜、
それが少女大好きルイス・キャロルの所以でしょうか。
そして忘れてはいけない、あのコワい挿絵のジョン・テニエル。
小学生の頃から、毒々しいデ●ズニーが嫌いだったワタシは、
「アリスといえばテニエルよね〜」なんつて、
お友だちとアノ絵を模写して遊んだことも思い出しました。
「らしく」するために茶色いわら半紙につけペンで。
日本のと違って紙のきれいな洋書も集めたなあ。
今知りましたが、アーサー・ラッカム挿絵なんてバージョン
のも出てるんですね。それもいいなー、ラッカム大好き。

原作本のシュールでヒステリックにコワい感じと、
幼少時の視覚触覚感を合体させたようなこの映画は、
あらゆる意味で「子供の話」である「不思議の国のアリス」を
すごくうまく創りあげた作品だと思いますよ。

【ヤココ】

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Tracked on December 05, 2005 at 08:41 PM

Comments

ギエムよかったわねえ。

さて

アリスものすごくおもしろそう!!
探してみてみる、なかなかレンタルにないよねえ。
でも探す価値ありみたいだ、楽しみだー。

Posted by: くるっぱー | November 21, 2005 at 02:05 AM

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