◆パガニーニ (クラウス・キンスキー)
ヤココ的採点板:[★★★★☆]
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1989年/イタリア
監督:クラウス・キンスキー
出演:クラウス・キンスキー、デボラ・キンスキー、
ニコライ・キンスキー、ベルナール・ブリエ、
マルセル・マルソー
音楽:サルヴァトーレ・アッカルド
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作曲家であり天才演奏家、そのあまりの超絶技巧に
悪魔に魂を売っただのバイオリンの鬼神だの言われ、
変人でも有名だったらしきパガニーニ題材は、
古くは『魔法の楽弓』という映画もあるようで
キンスキーの娘ナスターシャ主演『哀愁のトロイメライ』では
ギドン・クレーメルがパガニーニ役で出てました。
本作では、怪優クラウス・キンスキーが監督&自ら主演、
ヴァイオリン演奏はアッカルド。
とりあえず顔面恐怖キンスキーのパガニーニとは
見る前からぴったりすぎて笑えるが、それどころか、である。
ぬおおおああぁあぁあぉぉぉ???!?!
え、え、え、え、エロビデオ=======?!
予想を10倍は上回った、大変に猛獣的な映画だったのである。
絢爛豪華なオペラハウス、着飾った高階級の観衆を前に
ギョロ目にせむし、もじゃもじゃ頭パガニーニが現れる。
幽霊のような醜さに野次る観衆。しかしバイオリンを弾き出すや
その超絶演奏に人々は一気にひきこまれ、次第に熱狂し始め・・・
るのはわかるのだが、更になぜかご婦人達はこぞって顔を赤らめ
息を乱し、自分の体をまさぐりだす方もいらっしゃる。
……どうも欲情しているようなのだが・・・意外な展開…
いやいや劇場でまさか。でもそのまさか。
最初の数分で何かがスタート。突っ走りだしたらもう止まらない。
パガニーニの狂ったような演奏にオーバーラップして、
田舎道を行く馬車に乗った、麗しいご婦人が登場。
パガニーニとの美しい思い出を回想…かと思ったらその内容は
「バイオリン弾きながら猛っている彼の」股間にむしゃぶり
ついてるところで のええええと思う間なく妄想ご婦人、
馬車の中でご自分でご自分を慰め始めました!!あわわあわあわ。
それがもうあの 芸術的うんぬんとかじゃありませんね。
ドレスまくり上げて腰振ってモザイクてけてけ出まくりですよー、
と今度は馬の交尾がはじまる!それを見ながらあえぐご婦人、
いやあ馬のいちもつすげえなあ ってもう何がなんだかわからんが
その間にもパガニーニはパガニーニで、舞台上で妄想スタート。
10代にしか興味のないパガニーニ、しかも若けりゃ若いほどいい。
清らかな少女達と醜い彼が次々とケモノのように交わり続ける
大変な情景を回想しながら、耳障り紙一重な音色で演奏しまくり
観衆に至っては「私を犯してー」「お尻を触ってー」発情状態!
ぜぜぜ、ぜーはー!!ななななにが起こったのかしら!!
その後もテンション下がらず、この調子で続いていくのだが。
すがる奥さんをほっぽって演奏旅行には子供だけ連れて行き、
残された若妻は死んでしまったらしいこと、
奇怪な彼の行動で興行主は破産するわ行く先々で少女を拐かすわ
教会からは悪魔と糾弾され、裁判にかけられ、
というようなことがだんだんとわかってくるのですが、
これらのストーリーらしきものは断片でしか現れない。
それもほとんど周りの人々が語る形でうっすらとしか見えてこず、
あくまでパガニーニの行動のみ(つっても食って演って犯るだけ)
を中心に進行し、回想と現実も入り乱れてるもんだから、
時間軸もよくわからない。背後では躁状態のバイオリンが
ずーーっと鳴り続け、お脳がグルグルします。
悪魔だ、執着するのは「バイオリンと金と女」だけだ、
と 周りは憎悪と軽蔑を込めて評するのですが、本人ほんとに
全くそーゆー風に描かれているのがええ、スゴいです。
いや本当は優しくて…とか 裏では天才ならではの苦悩が…
などというセンチメンタリズム・ゼロ!!!
奥さんと子供は愛してたのね、というのは伝わってくるのですが
なにはなくとも衝動の方が強かったと。
愛と情欲…云々のふれこみでも案外おキレイだったりしますが
ふふふふ。これはえげつなくエロい。そのPUNKぶり甚だしく
頭隠してお尻でセーーーックス!(c)遠藤ミチロウ ってなもので。
なんつってもキンスキーですから、まず絵的にやばい。
年端のゆかぬ美少女を片っ端からやりたおし、人非人と言われつつ
実際、少女のことは欲情の対象としか見ていないんだけれど
実は少女が自ら進んで身を投げ出してるの。虜になってるの。
13歳とかの良家のお嬢様がもうお尻つきだして、そりゃもう…
醜いパガニーニの、野性なのか天才なのかオスの臭気なのか
どっかで少女達の、モノのように扱われたい本能を引き寄せる。
一般的にも、人でなしだろうがぶさいくだろうが、
超・女好きの男性ってやっぱりモテますよね。
そんなこんなのパガニーニなので、
ついには一緒に旅する愛息子に手を出しますまいか と
過剰なスキンシップのたびにドキドキしましたが
それはありませんでした。ほっ。でこの子がまた、
女の子みたいな美貌のいたいけな少年…と思ったらば
なんとキンスキーの実子なのですと!!ナスターシャといい、
一体どーいう遺伝子を持ってるのでしょうか、キンスキーは。
印象的だったのは、全編を通じて画面を横切っていく馬たち。
怒号を上げて何頭も何頭も駆け抜けていくのですが
その荒ぶる猛々しさと、ケモノ並のパガニーニが重なって。
ラスト、パガニーニが死ぬところも良いです。
最初から最後まで鳴り続けていたバイオリン曲、
ヒステリックに高低をくり返す旋律は
痙攣するような彼の情緒をそのまま表したようなのですが、
それが初めて、ぴた。とやむ。
そして血を吐いて目をむき、犬のようにくたばる。
一点、作曲家としての彼に触れられていなかったことは残念。
小さい頃にピアノで練習したような曲も出てきて
ああこれパガニーニだったんだ と思ったので余計。
って 残念なのはそれくらい?と自分でも意外ですが
いやあ、アタマのぐるぐるがおさまってみると
けっこう面白かったような気がして、何げに満点寄りの★4つ。
やりすぎっちゃやりすぎだし(コレ観て怒る人もいそうだ)
実際のパガニーニがどうだったのかは勿論さておきですが、
凡人にはわかりたくないほど生臭い、天才の疾走感が
笑えるほど伝わってきましたです。ぜはー。
今回、いかに上品にコラムるかと自分に課してみたのですが
うえーーん。無理だったよう。
【ヤココ】
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Comments
あなたは一体どうして毎回こういう素敵なものを
見つけ出してくるの?
もう文章読んだだけで観たような気になってしまったよ
子供が起きている時間には観れなさそうな映画だな。
でも すっごく観たくなりました。
Posted by: くるっぱー | November 24, 2005 at 03:24 AM
直接関係ないんだけどさ 今年もウィーン・フィルの公演を観に行ったです。そしたらちょうどヴァイオリン協奏曲の演奏のさなか、大きい地震が起きたんだよねー。
サントリーホールは舞台の真上に大きなシャンデリアが下がっているので、そのガラスがもうすっごい音。ホールなもんだから相当轟音で、まじで落っこちるかと思って というかついに来た!と思って、地震恐怖症のワタシは半分失神していたのですが、ウィーン・フィルとソリストとムーティ…途切れることなく演奏しきりました。
しかし演奏後、団員達が「こえーー」ってな素の顔で頭上を見ていたのがかわいらしかったです。つーかあのシャンデリアが落ちてたら、世界のウィーン・フィルがここで皆…。ぎゃー。
なにがいいたいかというと、月並みながら音楽家の集中力に感動した…とゆー話です。目の当たりにしてその力に打たれました、エロパガニーニの一極集中もさもあらん。
ワタシ『タイタニック』で唯一ぐしょぐしょに泣いたのも、沈み始めた船の上で、音楽家達は演奏し続けたシーンでした。
【ヤココ】
Posted by: ヤココ | November 25, 2005 at 10:36 PM