◆オテサーネク 妄想の子供 (ヤン・シュヴァンクマイエル)
くるっぱー的採点板:〔★★★★☆]
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2000年/チェコ/イギリス
監督:ヤン・シュヴァンクマイエル
出演:ヴェロニカ・ジルコヴァ 、ヤン・ハルトゥル
ヤロスラヴァ・クレチュメロヴァ 、パヴェル・ノーヴィ
クリスティーナ・アダムコヴァ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
<!!注!! ネタバレあり>
みんな食べたぞ、なべのおかゆもミルクもパンも。
それから、かあさん、とうさんも。
そうだ、次はおまえだ。
チェコの民話「オテサーネク」を下敷きに
チェコアニメの鬼才シュヴァンクマイエルが作った作品。
ヤココおすすめシュヴァンクマイエル、やっと見れました。
(ヤココの記事→悦楽共犯者)
昨年末、スカパーのシネフィルイマジカでこの「オテサーネク」と
「短編集1,2」を放映してくれたのでした。
ま、そんなわけで、
オテサーネクという、元になった童話がどういうものかというと
子宝に恵まれない夫婦が木の切り株を子どもに見たてて
オテサーネクとなづけ、
可愛がっているうちに、その木が本当に動き出し
命を得て、手当たり次第にものを食べ尽くしていく。
と、いうもの。
映画はその民話を実写とアニメを併用して
現代社会を舞台に翻案し、シュールな映像で
描いた作品です。
映画のあらすじはほぼ民話に忠実ですが
ただでさえ不気味な民話に、不気味な登場人物たち
不気味なアニメで
三大本能のうちの二つ、「性」と「食」、に対する
人間のどす黒いまでの貪欲さをフェティッシュに
ねちねちねちねち・・・・・・・・(以下永遠に続く)
描いてました。
コワカッタ。
私が若い娘さんなら
「きもっ!」
と 一言で終わらせてしまいそうな勢いです。
個人的には大変おもしろかったです、かなり長い作品ですが
あまりの気持ち悪さに目が離せませんでした。
その魅力をどう例えればいいか・・・
臭いのにかいでしまう靴下の香り?
しかも
「くさっ!」といいながら「ワンスモア!」な香り。
そういう魅力があったんですね。
余計わかりにくくしてしまったでしょーか?
不妊に悩む妻と夫。
夫が妻を不憫に思って切り株で子供をこしらえるのですが
妻はその子供を本当の子供のように可愛がります。
その尋常でない可愛がり方、愛は
「オティーク」と名づけられたその切り株の赤ん坊の
ねじくれてぐんぐん伸びる手のように肥大化して
人が殺されても、子供(切り株)がどんなに怪物化しても
惑うことはありません。
あー、コワ。もうどんどんおかしくなっていく演技が
すごくってですねー,自分の髪の毛を食べられそうになっても
「オティークがショートカットが似合うっていってくれたわ♪」
って、いやいやいや、違うだろ。
なにもかも自分の都合のいいほうにねじまげる
都合のいい愛。
切り株赤ちゃんもそれを栄養にますますぶくぶく・・・。
途切れない欲望の輪。
隣に住む、性に以上に興味を持っている少女。(顔面怖し)
難しい医学書をエロ本のように熟読。
しょっちゅうおやぢにぶったたかれてます。
そんな彼女は、地下にとじこめられたオティークを
不憫に思って餌をやるようになるのですが
すでに普通の食べ物で我慢できなくなっているために
くじびきで自分の周りの人間をえさにしようとします。
迷わず両親もそのくじの中にいれる残酷さ。
あのふてぶてしいルックスが説得力を増してます。
ウルトラナイスキャスティングなのです。
同じアパートに住む少女マニアのおじいさん。(よぼよぼ)
よぼよぼなのに少女のスカートが見えそうだったり
すると動きが敏捷になります。
それゆえ少女に疎まれ結局食われることに。
と、細部をつらつら書いていったらきりがありません。
アニメの作家ということで有名なようですが
この作品に関しては切り株赤ちゃんの部分や
民話の部分、テレビのCMの部分とほんのわずかしか
アニメは使われていません。
そこがちょっと残念だったかな、
2000年製作のアニメとはおもえぬローテクなアニメが
実にみぞおちをえぐるようなインパクトがあって
もっと見たかった。
しかしアニメ以外の部分も十分に不思議な雰囲気で
やたらと採用される細部のアップや
わかりやすい「性」のメタファーの連発、くすんだ色彩が
人間のねじれた欲望の行く末を
うまく伝えてくれいたように思います。
そして一番怖かったのはですね
そのお母さんの異常な愛情。それが理性でなく
本能的に理解できてしまった自分になのです。
切り株の赤ちゃんが「おぎゃあおぎゃあ」と泣いて食べ物を
欲しがるのですが、その声は本物の人間の声なんですね。
それを聞いたとき、目で受けた情報(切り株の赤ちゃん)に
対しては「気持ちわる~~」と思っているのに
耳で受けた情報(赤ちゃんの泣き声)に対して咄嗟に
「おなかがすいてる!なにかあげなきゃ!」って
本当に思ったんですね。
たまたま今自分が育児中だからだと思うのですが
動物的な母親の一面が自分に備わっていたこと、
これがなんとも・・・ね。
【くるっぱー】
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Comments
ヤココ的採点板:[★★★★☆]
映像のなんともいえない質感といい、
ねとねとが手に付きそうな汚さといい、
イイ顔すぎるキャストといい、相変わらず良い仕事してますが
シュヴァンクマイエル節としては少々物足らないかな。
これで物足りんのかい!つー、濃さではあるんですがね。
まあでも笑わせてもらいました。きもこわおかしい、
シュヴァンクマイエルの作品にははずれがないなー
(本作のように今一歩だとしても、十分の及第点を保っている)。
ワタシは、木ぎれ赤ちゃん時代のオティークが相当お気に入り。
はじめに旦那が森から掘り起こして、ニヤニヤしながら持ってきた時のインパクトと言ったら!!
どがーーーーーん!!!!ここここれですかぁ!?!!と。
はっきり言ってほんとにただの切り株なのだが、
ぽっかり空いた口、わしゃわしゃ根っこの指、おちんちんの隆起、
木だよー木だよーでもなんだかヒトに見えないこともないよー
ああでもパラノイア気味の奥さんは本気でむしゃぶりついてるよー っつー。こわいこわいこわい。つーかまたよくあんなコワい木を探してきたもんだ。
ワタシはDVDで見たので、メイキングも相当おもしろかったです。この女の子、ちゃんとオーディションで選んでるんですよねえ。素だと意外とふつうにかわいらしい女子だったのよ!ま、顔面力はあるがな。
そんな彼女にあれこれ演技をつけるシュヴァンクマイエル氏の
愉しそうなことと言ったらもう。
こんな生理的で強迫的な映像を撮る氏はしかし、意外と冷静なんだなー(当たり前かあ)とか、そんなことも思いました。
【ヤココ】
Posted by: ヤココ | November 01, 2005 at 03:02 PM
>生理的で強迫的な映像を撮る氏はしかし、意外と冷静なんだなー
そうだろうなあ
本物もこのまんまだったら
社会生活営んでないよ。きっと。
他のも今度一緒に見ようよ~。
Posted by: くるっぱー | November 04, 2005 at 05:26 AM