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December 16, 2004

◆デビルズ・バックボーン (ギレルモ・デル・トロ)

くるっぱー的採点板:[★★★☆☆]

DVD:デビルズ・バックボーン スペシャル・エディション
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2001年/スペイン
監督:ギレルモ・デル・トロ
出演:フェルナンド・ティエルブ、マリサ・パレデス
   フェデリコ・ルッピ、エドゥアルド・ノリエガ
official site

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<!!注!!ネタバレあり>

公開時、宣伝でやたら「呪怨」の俊雄に似た
白塗りのワカメちゃんカットの少年幽霊などを
クローズアップしていたから、そういう映画と
予想していたのですが、全然違う。
でも
ワタシはわりとおもしろかったです。
中南米の幻想小説のような趣のある映画でした。

霊と人間と現実と異界と・・・
そんなものが当たり前のように一緒に存在している
世界でのお話、というかんじ。

「きゃーーーっ」という怖さはないけど
不思議な味わいのある恐怖話だったのです。
あらすじは

スペイン内乱時のスペインで
町まで一日かかるという荒野の真ん中に立つ
孤児院を舞台に、夜ごとに出没する少年の霊に
悩まされる少年カルロス。
孤児院で一体過去になにがあったのだろうか?
最初は霊を恐れていたカルロスは
やがて霊と対話を試みる。
明かされた秘密とは。

スペインの青い空と黄色い大地。
果てしない荒野。
そして薄暗い昔風の教会を利用して作られた
孤児院。
光と闇がはっきりと別れている世界。
それはみえているものとみえていないものを
暗喩しているかのようでした。

意識と無意識。生きているものと死んでいるもの。
嘘と真実、うわべと本音。

そしてまたそれらは別個のものではなくて
なんていうか、混沌としたまま
あたりまえのように同じ場所で存在している
ように描かれていて、それが
中南米の幻想文学にも似た、という
感想を抱いた理由です。

その全体的なムードがなかなかよいのです。

校庭につきささっている不発弾。
院長の義足。
生まれてこれなかった胎児のラム酒漬け。
金ののべ棒。などの小道具も
この映画の湿った重い空気を演出するのに
一役買っています。

幽霊話としては

「俺の恨みをはらしてくれえ〜」
ってそのまんまのお話で
そんなたいした謎じゃないんですけどね。
ていうか、幽霊はどうして
人に頼み事があるのにいちいちおどろかして
くるんでしょうか。
今回、俊雄風に白塗りで現れてくる幽霊の
「サンティ」も、もうすこし
出てくるときに
「すみませーん、お話したいことがあるんですけど
いいですかぁ?」というような態度で出てくりゃ
誰もぎゃーぎゃーおどろかんちゅうに。
幽霊はねー 人にものを頼む態度が
なってないですな、ふんとに。


って 話がそれましたが
そういう幻想的な雰囲気の中で
孤児院でたくましく育つ少年達の日々が
きめこまやかに描かれていて
(いたずら、いじめ、初恋、遊び、などなど)
大変ほほえましく〜、かつ
一方、こどもたちが頼りにするべき大人たちにも
実は複雑な人間関係がうずまいていて
そのどろんどろんぶりにラテンの血を
感じたりできて、けっこう重みがあるドラマだったと
思うのです。
ホラー部分もあくまでその濃厚な空気の中の
ひとつの味つけという感じなんですね。
そして、戦争というひとつの狂気の中で
純粋だった子供達もやがて復讐という暴力を
肯定していく姿を描くことで
戦いが繰り返しもたらす負の連鎖を
描いていたようにも思います。

デビルズ・バックボーンというのは病気で
生まれてこれなかった胎児の背骨のことらしいです。
体を蝕む原因のようなものでしょうか。
それはこの孤児院の中でひそかに
育っていた不信と野望のことを指していたのかも
しれませんし、争いを続ける人間のことだったのかも
しれません。

演技陣もよかったです。
院長と院長を長年プラトニックに
愛しつづけた教師、どちらも顔に含蓄あって
素敵だった。いい年のとりかたしてますねえという
お顔。
院長やっていたマリサ・パレデス、
聖女と悪女の二つの面を持つ老齢の義足の美女
という役を実にマダ〜〜ムオーラばりばりで
演じていて色気ありました。
上昇志向と野心の固まりの男は古谷一行に相変わらず
よく似ているエドゥアルド・ノリエガ、
院長に長年愛情を抱いてきた老教師役のひとも
深みのあるいい演技でした。
(彼の死体の演技もすごい。)

製作はスペイン映画界の巨匠、ペドロ・アルモドバル。
監督は「ミミック」「ブレイド2」「ヘルボーイ」の
ギルレモ・デル・トロ。

ホラーだと期待してみなければ
なかなかおもしろい映画だと思います。

【くるっぱー】

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「デビルズ・バックボーン」【ELESPINAZODELDIABLO】2001年・スペイン監督:ギレルモ・デル・トロ製作:ペドロ・アルモドバル/ギレルモ・デル・ト... [Read More]

Tracked on February 23, 2005 at 03:17 PM

Comments

こんにちはw ああ、観賞後感が似てますね。
私も、これホラーを期待してはじめのうち
見ていたので、あれ??と思ったのですが、次第に
ホラー要素はどうでもよくなり、物語の人物たちに
魅了されていきました。

DVDの特典映像、面白かったです。
ホラーっていうなら、特典みたほうがコワイ(笑)
監督の描いた絵、めちゃコワイんだもの(^^;)

「スペイン内乱もの」というと、「蝶の舌」とか
「ミツバチのささやき」が有名でしょうか。
でも、これは異色作ですよね。
直接、戦闘シーンもなく、反乱狩りのシーンも一瞬だけ。
見えないからかえって迫り来る恐怖ってあります。

人間性のカケラもないハシントなのに、
最期に持っていたのは幼い頃の写真。
いたたまれませんでした。

Posted by: ルー | February 23, 2005 at 03:24 PM

>人間性のカケラもないハシントなのに、
>最期に持っていたのは幼い頃の写真。
>いたたまれませんでした。

私もです。愛を知らずに育って憎しみのみを育てた
彼が持っていた写真。写真一枚にこめられていたものを
思うと切ない。

寓話的な映像があの映画を一風変わった映画に
していましたね。スペインの映画には独特な
なにかがあるような気もします。

それにしてもやっぱり幽霊達、
たのみたいことがあるなら脅かすのやめてほしいですよねー。

Posted by: くるっぱー | February 23, 2005 at 11:57 PM

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