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April 29, 2004

◆処女の泉 (イングマール・ベルイマン)

ヤココ的採点板:[★★★★★]

DVD:処女の泉
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1960年/スウェーデン
監督:イングマール・ベルイマン
出演:マックス・フォン・シドー

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
<!!注!!ネタバレあり>

やさしくて清らかな娘と
意地悪くて心の汚れた娘
とゆー、ものすごくわかりやすい2人が居た場合
人はどーなってしまうのか?
そして 宗教、信仰とは?


ストーリーはものすごくシンプルです。
とある小さい村の、信心深く金持ちの豪農一家。
そこの一人娘は容姿美しく、
ものすごく愛されて育っているため
心も清らかで神を疑うこともせず、しかも処女。

一方、その豪農のウチの下女である、貧しい娘。
姦淫しまくり、邪教に傾倒して
恵まれない故すべてを呪う、心の汚い悪女でありまして
もちろん、上述の処女を憎んでおります。

天使と悪魔。絵に描いたようなそんなふたりが、
ある日、遠くの教会へと一緒に出かけるのですが
処女は、人を疑うことなどしないため
親切心から、悪党チームにゴハンをあげよーとして
山中、強姦された上にあっさり殺されしまう。
いっぽう悪女の方は その様子を隠れ見るも助けずに
のうのうと生き延びる。

すべてが明らかになった日の朝。
殺害の地へ急ぎ、娘の躯に駆け寄る殺された娘の両親は、
神も仏もないけれど、
この地に教会を建てよう と誓う。
そして殺された処女の横たわる地からは、
こんこんと泉がわき出てくるのであった・・・


・・・という、
良い人が殺され、悪者が生き残る、残酷童話風の筋立て。
はっきりと身も蓋もありませんが
さて、あなたはこの教訓ぶかい話から
何を感じるでしょうか??

善悪とは?宗教上のイデアと現実とは?そして救済とは?
かような教義を含んでいるのはもう
言うまでもありませんが・・・・

これらの単純な物語は、
至上の美しきモノクロ映像に載せて淡々と語られます。
説教くさくもなく(というか決して説教ではない)、
強い宗教色も、クールな目線ゆえ決して気にならない。
聖ミカエルみたいな処女、山猫みたいな悪女も
実にナイスキャストです。

絵本にしたら10数ページで終わってしまいそうな話ですが、
しかして…薄い絵本にできそげな映画って、
それだけでもの凄くねいですか??


ま、実際はもう少し色々あって。
処女の両親は、非常に神へ信心が厚かったはずですが
犯人チームをあっさりと復讐、惨殺せしめる。
また悪女にしても、処女の死によって
助けられなかった原因の一端であった
猜疑心・嫉妬心をようよう自覚し、崩れ落ちる。
何ら非のなく描かれていた処女の、突然の殺害を含め
これら、人々の信じていたものとはいったい何だったのか?
という答えのない大きな問いかけがありまして。
そこへ、救済のごとき泉が・・・・・というわけ。

まさに「キリスト教」という、
実にヨーロッパ的なバックグラウンドがある訳なのですよね。

ここでいう悪女っつうのも、日本と全く意味合いが違う。
ふしだら、とかアンチモラル、とかではなくて
神に背くもの、悪魔的な意味を持ちます。
キリスト教徒の、悪魔に対する恐怖、っていうのは
八百万の神をもつ日本人には理解が難しいところですが。

聖処女と悪女、=絶対的な善と悪、
という揺るがぬ定義が根底にまずあって
それをそのまま掻きまわして問いかける。
そこんとこの揺さぶりをおもしろく思えないと、
ちと地味で退屈かなあとも思いますが
ホント、考えるには楽しい映画です。


さて 長々と解釈も可能なこの作品。
実際ワタシの感想はといいますと
「いくら心が清く美しくても、無知・バカではダメである」。

・・・なんかものすごくズレてるような気が
しないでもないですが、解釈は自由と言うことで。
いやでもベルイマンも、ちょっとそれ
言いたかったんじゃあないでしょうかね??

ちなみにベルイマンは、ラストの救済
(泉がわき出て何となく皆許される)は
いれたくなかったらしい とどっかで読みました。
かなりパンクだにゃーーー、そーなったら。

virgin.jpg


【ヤココ】

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Comments

やっぱり欧米の映画を見るときってむこうの人に
とってのキリスト教ってなにかって考えることが
必要な時ってありますよな。
神の存在に対する姿勢とかねえ。
善悪の基準はそこにありますからなあ。
処女といっても
なんか日本で
「処女♪ええのお おぼこくて、ぐふふ」というような
ありがたさではなくて
絶対的な神に対する純潔、あるいは聖母マリアを
連想させる聖性のイメージですから
それがあっさり殺されてしまうところが
大変おパンクですな。

神の前では等しく原罪を背負った罪びとなのですかな。

【くるっぱー】

Posted by: くるっぱー | April 29, 2004 at 02:42 AM

くるっぱー的採点板:[★★★★★]

見たよー。
御伽ばなしというのはもともと
こういうものなのかもしれないね。
しかしあの処女の乙女はちょっと
防犯意識に欠けておるな。

あーんなん襲われちゃうって。
お父さんも大事な娘に護衛のひとつも
つけろって。

という話じゃないのはわかってますが。
映画冒頭のかえるサンドにもびっくり。

信仰がもたらす救いってなんじゃろう
とちょっと考えましたですよ。
たいへんおもしろかった
私も★★★★★ですな!

【くるっぱー】

Posted by: くるっぱー | May 20, 2004 at 01:35 AM

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